アユ

アユは日本各地に生息する魚で"国魚"ともいわれていますが、朝鮮半島、中国大陸、台湾の一部にも生息しています。
栃木県では、那珂川、鬼怒川、思川などに天然遡上が見られ、本県の漁獲量は全国第2位ですが、河川別では那珂川の漁獲量は全国第1位を誇っています。
また、アユは"香魚"とも呼ばれるように、スイカやキュウリに例えられる良い香りのする魚で、釣りの最盛期には川の畔を歩くとその香りが漂うとも言われます。



なんと言ってもアユの食べ方の代表は"塩焼き"です。串を打って炭火で焼いた塩焼きのアユは絶品です。内臓の苦みが大人の味。冷たいビールにぴったりです。


素焼きにしたアユに甘い山椒みそをのせて頂く魚田もなかなかです。


アユの炊き込みご飯です。卵をもったアユを使ったアユ飯は広い年齢層に喜ばれます。


手頃な大きさのアユを開きにし、一夜干しした"アユの開き"は頭から食べることができ、ご飯のおかずにもおつまみにもぴったりです。県内のアユ養殖場で手に入り ます。


アユの内臓の塩辛です。天然アユの内臓で造った"土うるか"はその渋みと苦みのバランスが絶妙。お酒が進みます。アユの卵を使った"子うるか"もなかなかです。


宇都宮市の一部(旧上河内町)で作られてきた"くされずし"。琵琶湖の鮒ずし同様の乳酸発酵を利用した伝統食品です。アユとご飯、千切りの大根を重ねて数日間樽に漬け込みます。今では作る人も少なくなってしまいましたが、ぜひ残したい郷土の味です。

アユ釣りをされる方はもちろん、そうでない方も様々なアユ料理をおためし下さい。


県内ではアユ養殖も盛んに行われており、手軽に手に入ります。
お問い合わせは、栃木県養殖漁業協同組合(028-664-1815)まで。
夏季には、各地の"やな"でもアユ料理が楽しめます。

その昔、神功皇后が三韓遠征に際し戦勝を占ったところ、アユが釣れたことからとか、神武天皇が大和に兵を進めたときの占いにアユが現れたからとか言われています。延喜年間にも秋の実りをアユの捕れ具合で占ったとも言われ、"鮎"が古くから日本の命運を決する魚だったようです。

秋に上流から下流へ下るため、落ちるの古語「あゆる」が変化した、ア=小、ユ=白、小さくて白い魚だから、かわいい魚の意などの説があるが定説はないらしい。

アユは、秋から冬にかけて河川の中流域の砂利底に産卵します。ふ化した仔魚は川の流れによって河口域に運ばれ、冬を沿岸のごく岸に近い場所(波砕帯)で過ごした後、春に川をさかのぼります。海で動物性プランクトンを食べて成長したアユは、川にのぼると石に付いた"ノロ"(藻類)を食べるようになります。植物を上質のタンパク質に変える素晴らしい力を持ち、川の浄化にも役立っています。
1尾のアユは0.6m2程度の"なわばり"をつくって、そこに入り込むアユを激しく追い払います。この特性を利用した釣りがアユの友釣りです。

アユの学名はPlecoglossus altivelisといいますが、Plecoglossusは「ひだひだになった舌」、altivelisは「高い帆」の意味で、"ノロ"をこそぎとって食べる唇と大きく伸びる背びれの様子から名付けられたことがわかります。青みかかったオリーブ色の背、銀白色に輝く腹、胸びれの後方に長円形の黄色い斑紋をもつ美しい姿からは想像できない激しい気性は釣り人を魅了してやみません。

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